ある日、子どもから「キャンプ行きたい!」と言われて、内心うれしい反面、「え、どうしよう…」と戸惑った経験はありませんか?
親自身がアウトドア未経験だと、何から始めていいのか分からず、「どうすればいい?」という気持ちが先に立つものです。
この記事では、そんな初心者のパパママに向けて、「まず最初に踏み出すならここから」という視点で、親子キャンプの第一歩を丁寧にご説明します。
無理なく楽しくスタートを切るためのヒントを、一緒に見つけていきましょう。
「キャンプ行きたい!」と言われたときの親の本音
子どものワクワクした言葉にうれしさを感じつつも、親としては現実的な戸惑いが浮かぶものです。
「できるかな」「大丈夫かな」という思いが交錯するのは当然で、むしろ自然な反応といえるでしょう。
ここでは、親がよく抱きがちな悩みごとを具体的に整理し、それに対する気持ちの向き合い方を探っていきます。
アウトドア未経験だから自信がない
これまでキャンプに行った経験がなく、テントを立てたこともなければ、薪を触ったこともない。
そうした状態で「親として子どもを引率できるのか」と思うのは当然です。
「自分にできるのかな?」という気持ちは、最初の一歩を踏み出すうえで最も大きなハードルのひとつといえるでしょう。
ですが、最近は初心者向けのサポートや設備が充実しているキャンプ場も多く、無理なく体験をスタートできる環境が整ってきています。
まずは「一歩踏み出すだけでいい」と、自分自身にやさしく声をかけてみましょう。
道具や準備が大変そうで気が重い
キャンプといえば、テント・寝袋・調理器具など、そろえるべき道具が山ほどあるイメージが強く、「全部買わなきゃいけないの?」と考えると気が重くなります。
また、何が必要かもわからず、調べるのも大変そうと感じる人も多いはず。
荷物が多くて持ち運びが大変そう、収納スペースも足りないかもしれない、そんな予測が心にのしかかります。
けれども、今はレンタルサービスを活用したり、必要最低限の持ち物だけで始められる方法も増えているため、やり切ることを目指さずに「まずは気軽にやってみよう」という気持ちで大丈夫です。
でも、子どもの気持ちは反映してあげたい
それでも、目を輝かせて「キャンプ行きたい!」と話す子どもの姿を見ると、何とかして応えてあげたくなるのが親心。
「せっかく興味を持ったのだから、叶えてあげたい」という想いが、戸惑いと同時に湧き上がってきます。
「一緒に挑戦してみようかな」と思えるような、きっかけや後押しがあればいいのに──そんな思いでいっぱいになります。
その一歩が、家族にとって新しい楽しみの扉を開くことになるかもしれません。
最初に考えるべき3つのポイント
思い切って始めるには、何よりも「できるかも」と思えるようになることが大切です。
ただ情報を集めるだけでなく、自分自身の気持ちや家庭の状況、そして子どもの希望をバランスよく見つめ直すことが、無理のないスタートにつながります。
ここでは、最初に考えておくと良いポイントを三つに繋いで、それぞれを少し深掘りしてみましょう。
親の気持ちを整理する:やりたい?できそう?
子どもにせがまれて「やってみようかな」と思っても、できるかなという気持ちが先に立つと一歩踏み出せないこともあります。
そんなときは、自分の気持ちを整理することが大切です。
「できる気がしない」「準備が大変そう」と感じるのは自然なこと。
だからこそ、まずは思っていることを紙に書き出してみたり、パートナーと話し合ってみたりするだけでも気持ちが落ち着きます。
自分が楽しめそうかどうかを客観的に考えてみると、意外と気持ちが前向きに変化することもあります。
さらに、他の家族の体験談を読んだり、キャンプ場の公式サイトや親子キャンプのブログを見てみたりすることで、「やってみたいかも」という気持ちが少しずつ育っていくはずです。
キャンプって何するの?をざっくり知る
「キャンプ=テントで寝ること」と思いがちですが、実際はもっと幅広いアクティビティの集合体です。
薪を見たり触ったりする、自然を歩く、外でごはんを食べる、星を見上げる──それぞれが魅力的な体験です。
つまり、すべてをやり切らなくてもいいし、自分たちに合った楽しみ方を選べばOK。
動画や写真を見ながらイメージをふくらませたり、キャンプ経験のある知人に話を聞いてみるのも良いですね。
キャンプは自由度の高いレジャーですから、「何をやっても間違いじゃない」という気楽な気持ちで臨むのが成功のコツです。
子どもが求めているキャンプ体験のイメージをつかむ
「キャンプがしたい!」という言葉の裏にある子どもの本当の願いは何か、じっくり聞いてみることも大事です。
「テントで寝たい」ではなく「夜の虫の声を聞いてみたい」「外でおにぎりを食べたい」といったシンプルな希望かもしれません。
つまり、すべての要素を実現しなくても、子どもの「やってみたい」をかなえることは可能です。
何にワクワクしているのかを親子で共有することで、計画の方向性も自然と見えてきます。
話をする中で、親自身が「それ、楽しそう!」と感じられるようになれば、よりポジティブな気持ちでスタートを切れるはずです。
初心者はどこから始める?無理なくできる始め方

自然の中でくつろぐ親子時間が、最初の一歩のハードルをぐっと下げてくれる。
いきなり宿泊を伴うようなキャンプを始めなくても、アウトドアに親しむ方法はたくさんあります。
無理をせず、今の自分たちに合った「最初の一歩」を見つけてみましょう。
身近な場所や簡単な体験から始めることで、徐々にキャンプの魅力を体感できます。
ピクニック気分で楽しめる「日帰りデイキャンプ」
お弁当を持って公園で過ごしたり、バーベキュー場で軽く調理をするだけでも、十分アウトドア気分が味わえます。
家族でレジャーシートを広げて、風の中でのんびり食事をするだけで、自然との距離が一気に縮まります。
特に小さなお子さんがいる家庭では、時間を区切った日帰りキャンプが無理なく楽しめる選択肢です。
近場でできる「お試しアウトドア」
公園の一角コーナーを借りたり、川近くのスペースを使って、家族だけのマイペースなアウトドアを楽しんでみましょう。
テントを立てずにタープだけ張ったり、持参したポップアップテントで休憩したりするだけでも、アウトドアの空気感を味わえます。
帰宅のハードルが低い分、「またやりたいね」と前向きな気持ちで終われるのも魅力です。
手ぶらOKのキャンプ場をチェック
テントや寝袋、調理器具などがすべて用意されている「手ぶらキャンプ」は、初心者にとって気軽に挑戦しやすい方法です。
キャンプ道具が不要なだけで、準備の大変さがぐっと軽くなります。
宿泊を伴うプランでも、サポートスタッフがいる場所なら戸惑うことなく楽しめます。
無理のない範囲で一泊から始めてみると、「また来たい」と思える体験ができれば、次の一歩も自然と見えてくるでしょう。
親子向けキャンプ体験イベントに参加するのもアリ
地域や企業が主催する「親子キャンプ体験イベント」に参加するのも良いですよ。
プログラムが組まれているため、自分たちで計画を立てることがなく、他の家族との交流も楽しめます。
子どもにとっても、同年代の子どもたちと過ごす体験は大きな経験になります。
「まずは気軽にやってみる」ことの大切さを、親も子も実感できるでしょう。
子どもと一緒にキャンプをイメージしてみよう

家の中でもキャンプ気分!まずは親子でプチ体験から始めよう。
親が「やる」と決めるには、やっぱり何らかの胸おどるようなイメージも大切です。
子どもと一緒に「楽しそう」を探してみましょう。
映像や言葉、遊びを通じて、イメージを共有していくことで、現実味のある計画に近づきます。
YouTubeや写真でキャンプの様子を見てみる
実際のキャンプの映像や写真を見ることで、「キャンプってこんな感じなんだ」と具体的なイメージが湧いてきます。
YouTubeには親子キャンプの様子を紹介する動画も多く、リアルな雰囲気が伝わります。
特にテント設営やご飯作りのシーンを見ると、自分たちでもできそうと感じやすくなります。
子どもと「行ってみたい場所」を話し合う
地名を調べながら「ここ良さそう」と話すだけでも、ワクワク感が高まります。
地図を広げて「山のほう?海のほう?」と相談する時間も、立派な準備の一部です。
パンフレットやサイトの写真を見ながら、「ここに行ってみたいね」と気持ちをすり合わせていきましょう。
「どんなことをしてみたい?」と一緒に考える
「薪を触ってみたい」「外でご飯を食べたい」「自然の中で生き物を観察したい」など、子どもなりの興味を共有することで、現実的な計画にもつながります。
親もその話を聞く中で、「それならできそう」「それ、楽しそう」と前向きなイメージを持てるようになります。
家の中で“プチキャンプごっこ”をしてみる
リビングにシートを広げて、おにぎりを食べたり懐中電灯の光で影あそびを楽しんだりするだけでも、十分楽しい「キャンプごっこ」になります。
子どもがテント代わりにダンボールハウスを作ったり、ぬいぐるみを並べたりすれば、さらに盛り上がるでしょう。
家庭内で楽しい雰囲気を味わうことで、外での本番への期待も高まります。
そして、実際にキャンプへ行こうとなったら、キャンプ場の探し方の記事も参考にしてみてください。→「親子キャンプにぴったり!使いやすい設備と立地で選ぶキャンプ場の探し方」
まとめ
「キャンプ行きたい!」という子どもの一言は、親子にとって新しい世界への扉を開くチャンスです。
大丈夫かなという気持ちがあるのは当たり前。
でも、小さな一歩を踏み出すことで、家族にとってかけがえのない体験が待っているかもしれません。
まずは身近なところから、できる範囲で楽しんでみましょう。
親子で一緒に試行錯誤する時間が、きっと素敵な思い出になります。